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質疑:職員研修、人材育成、オープンデータについて


今日は、職員研修、人材育成、オープンデータについて質疑した内容を書いていきます。

質疑の概要

これは、時代が大きく変化し民間企業はテクノロジーの進化についていかなければ淘汰されていく。そんな中で役所は変化に対応できているのか?という視点から、職員研修・人材育成で「最低限のITリテラシー」を養ってもらう必要性、そしてその「最低限のITリテラシー」があれば、オープンデータの取り組みなどというしょーもないことは、一瞬で終わらせることができる【ただのルール徹底の話】なのだということを明らかにし、大阪市では「オープンデータの取り組み」などという単語を消滅させてしまおうとした質疑です。

詳しくは質疑の動画をご確認ください。

質問:キャリアプランの相談とスキルセットの提示について

職員研修・人材育成についてお伺いしていきます。

まず最初に聞いておきたいのは、職員の描くキャリアプランに関わることです。

職員が、自分自身が描くキャリアプランのゴールに向かっていくための順路としては、まず明確な目標を定めることが必要ですよね。そして、そのために必要なことを所属の上司や人材育成サイドの人間と共に洗い出し、足りていないものを認識し、その足りていないものを満たしていくということになると思うんですよね。

他方で、人材育成をしていくサイドの立場からすると、必要なスキルセットをちゃんと提示することで非常に効率よく、求める人物像に沿った人材を育成できることになります。

これはおそらく民間では当たり前の流れなのではないかと思いますが、大阪市役所でちゃんとそういうことが行われているのかどうか、気になっています。

職員の描くキャリアプランに対して、適切な必要スキルセットを提示するような仕組みがちゃんと構築されているのかどうか、お伺いいたします。

答弁:キャリアプランの相談とスキルセットの提示について

本市では、職員一人ひとりの持てる力を最大限に引き出す人材育成体制の確立をめざし、「大阪市人材育成基本方針」を策定している。

本市をとりまく社会環境の変化に伴って行政課題も多様化・複雑化しており、これまで以上に積極的に職員の人材育成に取組むことが必要であることから、本基本方針を本年9月に改訂した。

改訂のポイントとして、めざす職員像並びに職員に求められる能力について明確化するとともに、人材育成の基本的な考え方を示しており、本市職員の人材育成に関する大きな方向性を定めた。

と、いうことのようです。

質問:ほとんどの場合、スキルセットに「最低限のITリテラシー」が必要ではないか

是非、適切な必要スキルセットの提示は徹底していただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

で、このスキルセットの中身なんですけれどもね。近年、状況は大きく変化しています。
テクノロジーの進化についていけない企業は淘汰されていってしまう、そんな時代に突入している中、役所も、行財政運営の質を高めていくためには職員がICTを活用し、市民や利用者の視点に立ったサービスの向上を図っていくということが必要です。

当然ICTに関するスキルが不足していることで、非効率な業務が漫然と続けられることがあってはならないですし、市全体の高度な情報システムやセキュリティ対策を担う職員のスキルアップはもとより、一般の職員全体のICTスキルを高めることがそもそも不可欠であると考えています。

ですから、ほとんどのキャリアプランに対して提示するスキルセットの中に「最低限のITリテラシー」というのが入って然るべしだと思ってるんですが、それについてはどうお考えかということと、その「最低限のITリテラシー」を持っていただくために、現在どのように取り組んでいるのかをお聞かせください。

答弁:ほとんどの場合、スキルセットに「最低限のITリテラシー」が必要ではないか

一般職員の所属や職務内容も多岐にわたり、ICTを活用して業務を遂行する場面もさまざまであるが、すべての職員を対象とする「大阪市人材育成基本方針」では、職員は日々の業務において自己のキャリアについて考え、主体的に能力の開発に努めなければならないことを職員の責務として位置付けている。

とりわけ、近年のICTの進展を踏まえ、その知識やスキルを習得し活用することは、行政としての専門性を維持・向上していく観点から、職員に求められる能力のうち、現状において、特に強化するべき能力の一つであると明確にしている。

委員ご指摘のとおり、民間及び行政において、成長や改革の中心にICTが存在していることに鑑み、市民サービスの向上や行政運営の効率化の推進に向け、職員人材開発センターとしては、ICTを活用する能力の強化は欠かせないこととして職員の人材育成に取組んでまいる。

ICTの知識やスキルを習得し活用することは、行政としての専門性を維持・向上していく観点から、特に強化するべき能力の一つであると明確にしているとのことです。これは心強い!!
ICTを活用する能力の強化は欠かせないこととして職員の人材育成に取組んでいただけるとのことです。期待しましょう。

質問:オープンデータの取り組みについて

ありがとうございます。
さて、その最低限のITリテラシーにひっかけて、オープンデータの取り組みについて質疑をしていきます。これ、僕言いながらずっと思ってるんですけど、オープンデータの取り組みって言葉自体、以前からめちゃくちゃ違和感あるんですよね。

そもそも、オープンデータって「取り組み」って言えるほどの壮大なものでもなんでもなくて、ただのルール徹底やんかと思ってるんです。
もう今日は、この場でその概念を変えていきたいと思って、ここに立っています。

そもそもなぜオープンデータを推進していこうとするのかという部分については、
総務省のサイトによると
 ・透明性、信頼性の向上
 ・国民参加、官民協働の推進
 ・経済の活性化、行政の効率化
というものが挙げられています。

で、ここではまず、オープンデータってなんやねんという話からしていきます。
例えば、ホームページにデータを公開していきましょうというだけの話であれば、これを適切に表す言葉は、「市政の透明化」です。これはオープンデータの話ではありません。

オープンデータの定義っていうのは、機械、つまりコンピューターが判読、処理できる形式で公開されているデータというものです。二次利用可能ってのもあるんですけど、そもそも行政のデータなんで、そのへんは一旦横に置いておいてください。

とにかく、コンピューターが判読、処理できる形式で公開されているデータ。
という風にご理解いただければ良いです。

わかりやすく言いますと、PDF形式のデータ、よく皆様も見かけられると思いますが、これは、オープンデータではないんです。PDF形式は、あくまでも紙ベースのデータなんです。だから、コンピューターが判読、処理できるデータ形式とは言えないんですね。

じゃあ、どうやったらオープンデータってことになるの?と。どうせめんどくさい作業があるんじゃないの?そんなこと、やってる暇ないよと。そういう理由でなかなかオープンデータ化が進まないという話を、これは別の自治体とやり取りをしている某大手検索サイトの会社のそういう部門の方からお聞きしたことがあります。

もしそういった感覚を、この大阪市の職員の方々が今も持っているのだとしたら、これはもう凄まじい状況だなという話なんです。最低限のITリテラシー、つけてもらわないと困るなという話なんです。

具体的に言います。
今も職員の方が日々作ってくださっている資料、それ、Excelとかで作ってるんでしょ?と。特に、数字関係扱ってるやつはほぼ100%Excelで作ってるんでしょ?と。
それ、そのままExcelのデータで公開してくださいよ!という話なんです。

ホームページに公開する資料は、PDFに変換する作業を今、みなさんされているんでしょうけど、その元のExcelファイルも併せて公開してくださいと。

はい。それで、オープンデータ化完了なんですね。
なんちゅー簡単な話なんや!と思いません?

ICT戦略室に答弁を求めます。
Excelで作ってるデータ、そのままExcelで公開してくれたら、それすなわちオープンデータという理解で良いかどうか、簡潔にお答えください。

答弁:オープンデータの取り組みについて

委員ご指摘のとおり、機械判読性のあるオープンデータとなります。

はい、簡潔に答弁をいただきました。

質問:各局のやる気について

今の答弁聞いてもらってわかった通り、こんなもんは取り組みでもなんでもないわけなんです。ルールの徹底という話。
PDFの公開に合わせて、そのまま元のデータを公開してくだされば、それで良いんです。

こんな簡単なことで、ICT戦略室の職員の貴重な時間を使ってられないわけです。もっと他にもやらなアカンことってたくさんあるんで、もうこの話はこの場で終了させてしまいたいんですよ。来年度には、オープンデータの取り組みという言葉自体を消滅させたいんです。この大阪市においては。

というわけで、今のやり取りをお聞きいただきました各局の局長には、すぐにでもこの状況を脱却するためにも局としてルールを徹底していただきたいと思います。
各局長にはルールの徹底について、この場で順番にご答弁いただきたいところですが、代わりにICT戦略室長に各所属がルールを徹底するように、今後、どのように指導していくのかお答えいただけますでしょうか。

答弁:各局のやる気について

ICT戦略室からは、広聴広報幹事会議を通じて、各所属にPDFの公開に合わせ、元となるデータを公開するよう働きかけてきたところです。

今後、各所属が公開するデータに占める機械判読性の高いデータの率の推移について確認し、直接個別に助言してまいります。

これまでのICT戦略室は働きかけてくれていたとのことですが、それが実現されていないということに愕然とします。
まぁ、質疑の場でこれだけ明快に明らかにしたわけですから、今後はちゃんとやってくれるでしょうし、やらなかったら追求します。

要望

わかりました。ICT戦略室長がリーダーシップを発揮して、ぜひとも大阪市のオープンデータの質が向上するようにお願いします。

私も各所属の進捗状況を確認して、対応の遅い所属は今後の委員会で所属長への質問なども考えていきたいと思いますので、積極的な対応を強く求めておきます。

こんなもん、さっさとやってしまって他都市に圧倒的な差をつけてしまいましょう。