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質疑:大阪市営バスの広告(後部外側板)について


今日の記事は、3/8に行った質疑の中でとりあげた「大阪市営バスの広告(後部外側板)」について。
※写真は株式会社大阪メトロサービスHPより引用
▶株式会社大阪メトロサービス > 広告掲出のご案内 > 大阪市営バス > 外側板

質疑の概要

皆様は、大阪市営バスの車体後部にある金属製の枠の中の広告、見たことありますか?
ピンと来ない方は、見かけた時に注目しておいてください。

今はだんだん車体のラッピング広告が増えていて、この金属製の枠の広告(後部外側板という名前)を搭載する車体数そのものが減少傾向らしいのですが、僕が問題視したのは、空白多くないか??ということでした。

詳しくは質疑の動画をご確認ください。

質問:バスの広告について

バスの車体の後部に、看板を入れる金属製の広告枠があるのを見かけるんですけど、この枠に何も入っていないというパターンを見かけることが、よくあります。

これ、空白ってもったいないんちゃうかな、って思うんですよね。
それを解消するために、デフォルトの状態を変えるという発想は、できないもんでしょうか。

つまり、今は広告契約がない場合は何も掲出されていないわけなんですけど、何も掲出しないということではなくて、大阪市交通局がPRしたい内容を掲出しておくという手法なんですけど。このような発想の転換はできないもんでしょうか。

交通局としてPRしたい内容は色々あるとは思うんですけど、先ほどから質疑させてもらってます、大阪周遊パスの宣伝というのもひとつの案なのではないかと思うんですよね。

・とにかく、空白ってのはもったいないと感じています。
・デフォルトの状態を変更するだけということであれば、既存の広告枠に対しての悪影響もないと思いますが。
どのようにお考えでしょうか。

答弁:バスの広告について

バスの車体後部に広告を設置する「後部外側板」広告は、現在、より広告効果の大きい「ラッピング」広告に置き換えている過渡期にある。

有償広告を掲出していないときに、広告枠に交通局の宣伝物を掲出することは、駅構内のポスター枠でしばしば行っており、バスの後部外側板枠についても枠が空いているときに、空枠の活用として大阪周遊パスのPRを行うことは、交通事業にとっても有益であると考える。

大阪観光局からも、バス後部への大阪周遊パスのPRを掲載することについて、前向きに検討するとのご意見を伺っており、今後、同局と協議を行っていく。

実はこの答弁を引き出す前に既に色々調整をしていました。
委員会での質疑は、諸々の調整の答え合わせみたいな側面があります。
※その場でガチンコということは、ほとんどないのです。

当初、交通局としては「空白は良くないけど、バス会計の状況的に、広告用の看板を作ることすらしんどい」というような見解でした。
いや、そらバス会計しんどいのはわかるけども・・・・
もし仮に大阪周遊パスのPRなら交通局として是認できるということであれば、その分の予算を大阪観光局に出してもらえばいいんじゃないのと。

広告掲出料は、元々空白だったデフォルトの状態を変えるだけだから請求しない。
ただ、掲出用の看板の制作費用だけは負担してよ、という提案は大阪観光局も飲めるんじゃないの?と。
交通局は「いや・・・無理じゃないですかね・・・」みたいな反応でしたが、僕が「聞いてみよう」と提案。

すると、
「看板制作費だけでいいんですよね?」「広告掲載は無料ってことですよね?」との確認。
「それならアリでしょ。前向きに検討できます。」という答えが返ってきました。

ほら見てみーや!w
という流れがあっての、先ほどの答弁なのでありました。

質問:バスの広告収入について

是非とも、大阪観光局と前向きに話を進めてください。大阪周遊パスを使って市営バスも乗ることもできますし、これはお互いにとってメリットがある案だと思います。
バスの広告枠を使って宣伝するというアプローチは直接外国人観光客に対してリーチする可能性は低いかもしれませんけれども、日本人の中での認知を広げていくというのも、結果的に大阪周遊パスの利用者数を増やしていくことにつながっていくと思いますので、是非とも積極的に連携していただければと思います。

さて、先ほどたまに空きを見かけますよと申し上げたバスの広告ですけども。

・直近は一体どれぐらい、年間で稼げているのでしょうか、
・また、目標額もあるのでしょうか。

平成27年度の決算、28年度の状況、29年度予算でよいので、
教えてください。

答弁:バスの広告収入について

平成27年度の自動車運送事業の広告料収入は、約99,420千円(税込では約107百万円)、平成28年度はまだ期中ではあるが、昨年度とほぼ同水準の収入を得られるものと考えている。

平成29年度予算については、27年度と同水準の約107百万円を計上している。
車内広告は厳しい状況にあるが、バス車体ラッピング広告の増収に努め、広告料収入の確保に向け、取り組む。

というわけで、バスの広告料収入は年間約1億円程度なんですって。
多いと取るか、少ないと取るかは人それぞれ。
しかし、この広告料も貴重なバス会計の収入源であるということ自体は間違いないですね。

是非広告の分野にも力を入れて頑張っていただくことが、結果的にバス事業の維持に寄与していくので頑張っていただきたいところです。

意見

バスについては、意見を述べさせてもらったこともあるので紹介します。

意見:地図アプリの経路検索について

バスを維持する、守るという観点から言うと、これはもう乗客数をどうやって増やしていくか。増やすのが難しいなら、減るのを食い止めていくか。
とにかく、乗ってもらってナンボな世界だと思っているわけなんですけど、バスの利用というのは減ってきています。

バスが利用されなくなってきた背景を自分なりに考えてみたんですけども、
これは完全に私見ですが、もしかしたら、「場合によってはバスを便利に利用できるケースがある」ということに気づいていない方が多くいることが、原因のひとつなのではないかと思うに至りました。

バスの経路が出てくる乗換案内サイトやアプリをご利用いただくことで、「目的地にバスで行ける」ということに気づいてもらえるケースもあると思うんですが、もうひとつ前の段階のところにカギがあると思ったんですよ。

おそらく、委員の皆様方も同じだと思いますけれども、どこか知らない場所になんかの用事で行かなアカンことになったと、思い浮かべてみてほしいんです。
とりあえずまず、住所なりなんなりを、スマートフォンの地図アプリに入力して、どのへんやねんということを調べてみたりしませんかね。

で、その目的地の最寄り駅はどこやねん、という感じで調べて、ほんなら自分が現在いるところからは、どういう経路で行くのが望ましいのかということを調べていくと思うんです。そこでやっと、乗換案内サイトとかアプリを使うことになると思うんですけどね。

この手順だと、ほとんどバスによる移動が提案されないんです。
なぜなら、鉄道の駅から鉄道の駅までの乗換案内を検索することになるからです。
そら、鉄道のほうが合理的やわと。当たり前の結果になると思うんですね。

そこで委員の皆様方にも是非知っておいて欲しいんですけどね、元々知ってたということであれば申し訳ありませんが、例えば、恐らく一番利用されているであろう地図サービスの「Googleマップ」ってありますよね。

このGoogleマップ上で出発地(例えば、現在地)から目的地(この目的地ってのは、駅とかじゃなくてホンマに行く場所の住所になりますが、それ)を検索すると、これもケースバイケースではありますが、仮にバスの利用が合理的な場合、バス停までの経路やバスでの移動経路等、バスを使う経路が選択肢として出てくることになります。

数ある選択肢の中からの選択基準っていうのは、人により異なると思うんですけど、歩行距離であるとか、時間、料金、乗換回数などの要素があって、基準と照らし合わせた時、バスでの移動のほうがええやんと判断するケースが出てくれば、これはバスの利用につながっていくんじゃないかと思っているわけなんです。

というのもですね、例えばGoogleマップを開くだけだと、バス停の名前が出てこないわけですよ。委員の皆様方にもあとで試してみてほしいんですけどね、普通にマップ開いて眺めてても、どこにバス停があるかというのは一切わからないわけです。

是非、委員の皆様方は後で地元のバス停の場所を見てみてください。
ほんまに、バス停の名前は表示されてません。
でも、そこにあるはずや!ってのはわかるじゃないですか。

ほいで、どないなってんねんと思いながら、バス停の場所をめちゃくちゃ拡大してみたら、やっと、ものっすごいちっこいバス停のアイコンが出て来るんです。これ、ほんまに皆様また後で試しに見ておいてほしいんですよ。どんだけちっこいねん!となります。

ただ、こんなん言うてても、この状況を変える権限は交通局が持ってるわけないですし、僕達議員が言ったからとて仕方ないというか、これはもう民間企業の判断ですよね、という話なんですけど。

ただ、バス停の名前は地図上からは確認できないものの、経路検索の機能を使うと、先ほど述べた通り、バスを使う経路もちゃんと裏側でデータ持ってて、バスの利用が合理的な場合は選択肢として出て来てくれるわけです。

 

私の話を聞くだけではほんまかいなと思う人もいると思いますんで、
実際にちょっと試してみたことを紹介します。

 

先日ですね、僕の事務所は阪急淡路駅の駅前にあるんですが、そこから我々の会派の金子議員の事務所、天王寺区にあるんですけど。そこに行こうとしたらどうなるのかなというので試してみました。
もちろん車移動ってのは無しで、公共交通機関を使うという前提です。

そしたら、電車移動だけだと金子議員の事務所まで行くのに、最寄り駅から徒歩15分とか、徒歩17分とかの選択肢しか出なかったんですよ。
なんやこれはと。最寄り駅から徒歩15分とか17分とかて、めっちゃ遠いやんかと。

でも、実は金子議員の事務所の近くにバス停があって、そのバス停からは徒歩4分で良いということをGoogleマップが示してくれたんです。
どっち選ぶ?って選択を迫られたら、私は徒歩4分のほうを選びたいなと思いました。

つまりこれは、目的地まで歩く距離であるとか、そもそものトータルの料金であるとか、あるいは移動時間であるとか、乗り換え回数とか、様々な判断基準がそれぞれ人によってある中で、バスを使った移動という選択肢がどこかで比較優位に立つ可能性があるという話なんです。

もちろん、バスの経路が出る乗換案内サイトやアプリはほかにもあるんですけれども、是非各委員の皆様にも、このような、バスの経路検索ができるものがあるんやでというのを周りの方に広げていってもらうと、少しでもバスの乗車数というのは増えるんじゃないかなと思っています。

また、これに関しては交通局・水道局の理事者の皆さんも知人・友人に広めてもらいたいんですよね。

バスの維持のために一番大切なことは、とにかく乗ってもらうことだと思っています。
こういう視点からバスを守っていくという方向が、非常に建設的な議論の方向性なのではないのかなと思うし、これに反対する人っているのだろうか?と思っていますので、是非、共にこういうものを広めてバスの乗車数向上を目指していきましょう。
という意見を表明しておきます。

 

さて、先ほどから周遊パスや広告についても取り上げてきましたけれども、
僕は真剣にバスを守りたいと思っています。

路線を減らさないでほしいとか、運行回数を増やして欲しいとか、そういう要望があることはもちろん承知していますし、理解もしています。理解していますけれども、ただ言いっぱなしなだけでは実現が困難なんだよということも、これまた現実なわけです。

僕は、バスを守っていくという文脈において、こういうアプローチもアリなんじゃないかと、むしろしていかなきゃいけないのではないかと思っています。

是非、今後もバスを守っていくという文脈においては建設的な議論をしていきたいということを言わせていただきまして、バス関連はここで終わらせていただきます。

是非、皆様も知らない場所に行く際は、地図アプリの経路検索機能を使ってみてください!
バスのほうがエエやん!って場合も、たまには出てくるかもしれませんよ^^