世の中の流れは早い。
中学生の頃にメモ帳に直接HTMLを書き込んでホームページを作っていたあの頃、将来はIT業界で働くんだろうと漠然と感じていた。
時が流れ、大学を卒業した僕はIT業界で働いていた。
・・・はずだったのだが、現在は大阪市会議員として仕事をしている。
この世界に来たキッカケはたくさんあるのだが、「行政や政治の世界って、IT遅れすぎじゃないの?」という肌感覚はカナリ大きなウェイトを占めていて、IT業界出身の自分だからこそ出来る行動、出来る提言、そういったことを絶対にやりたいと選挙でも訴えてきた。今もその気持ちは一切変わっていない。むしろ、強くなっているとさえ思う。
そんな中、大阪市はと言うと実は現在、全国では最先端ICT都市と評されている。こう評される要因の最も大きなところは、首長。つまり大阪市長のスタンスにある。
橋下徹・前大阪市長が「ICT活用」を市長方針として推進、それを吉村洋文・現大阪市長が更に押し上げた。
他の都市にはない、大阪市の特徴(最先端と評される所以)としては
・専門組織を有している(ICT戦略室)
・中期計画が存在している(3カ年計画、現在3年目)
・具体事例が出てきた(自動車ブレーキビッグデータ分析からのヒヤリハットマップ制作・生活保護ビッグデータ分析)
こういったところが挙げられる。
しかし、ここまでICTへの取り組みが評価されている現状、大阪市の行政は果たしてICT活用という文脈において、イケていると言えるのだろうか?と考えた時、胸を張って「イケてるでしょう!!」と言うのは、おそらく関係者だけだろう。
国内自治体競争からの脱却
なぜ僕が「イケてるでしょう!!」と胸を張って言えないか。
その理由を細かく言い出すとキリがないし、最終的には公務員全員のITリテラシーに関わる話になる。
求めすぎると現実離れしてしまうので、現段階では「比較対象は適切なのか?」というところに絞っていきたい。
行政というのは、比較対象を国内の自治体に持っていきがちだ。しかし、「そもそも国レベルで遅れている」テーマと対峙する時、国内の自治体を比較対象とすることにあまり意味がないことは誰が考えても明らかだろう。
比較対象は民間・海外自治体
先述した通り、大阪市はICTへの取り組みを強力に推進したことで、国内自治体の中では最先端ICT都市と評されるステージまで来た。この事実自体は肯定的に捉えるべきであり、関係各所の頑張りには敬意を表するところであるが、ここで満足しているようではいけないし、国内の他自治体が大阪市のレベルを頭打ちとして参考にするようでは「国レベルで遅れている現状」を打破することなどできない。
そこで、行政の意識を変えていくべく、僕ができることはなにかと考えた時、「議員サイドから、民間・海外自治体の知見を含んだ政策を提言していく」という動きであると結論づけ、大阪維新の会大阪市会議員団の中で「最先端ICT都市PT」というプロジェクトチームを作るに至ったのである。
民間企業から知見を得るために東京視察を決行
前置きが長くなったが、こうした背景思想のもと作ったプロジェクトチームで、東京の民間企業に対する視察を決行した。
視察初日
まず、初日の訪問先はYahoo!。
ここでは、
データ&サイエンスソリューション統括本部
データサービス本部
データコラボレーション戦略室
の室長であられる、竹田氏より主に自治体オープンデータについての話を伺った。
オープンデータ
オープンデータへの取り組みというのは本当に評価が分かれる領域だ。
僕を含む、こうした世界に明るい人間からすると、
「保存する時のデータ形式だけ頼むわって話やん!!なにが難しいねん!!」という感覚になってしまう。
しかし、こうした世界に明るくない、実際に現場で働く職員からすると、
「なんで今までと違うことやらなアカンねん!!仕事増えるやろが!!」という感覚になる。
正直言って、僕からすると「ムキー!!」となってしまうのだが(笑)、実際に現場で調整などを行っている最前線の竹田室長からは慎重なスタンスからの意見が多かったように感じた。
つまり、職員のそういった気持ちにもしっかり寄り添っている、という感じである。
もちろんここには立場上の問題もあって、現実問題、オープンデータを作る側なのは職員サイドなわけで、それをサポートする立場からは寄り添うしかないという部分もあるのだろう。
議員サイドや、おそらく世の中のIT業界人からは、「とはいえ、データ保存形式変えるだけの話、そんなに負担か?」となるわけであり、やはりこうした意見を言っていくことは議員としては重要なのではないかとも思う。
ここで得た一番大きな収穫は、「公務員はオープンデータへの取り組みを【仕事が増える】という理由で嫌がる。」という一般論である。
大阪市の話だけではなかったのだ。他自治体の公務員も、オープンデータへの取り組みに過剰な反応をしている。こうなったら今度、どこかのタイミングで「いかに簡単な作業なのか」を質疑中にでも明らかにし、こんなことすらできないのか?と各局の局長に問うていくぐらいのことが必要なのではないかと真剣に思っている。
反面、「自動化できることは自動化する」という民間では当たり前の感覚を役所に持ち込むことにも抵抗があるようだ。理由は「仕事がなくなるから」であり、こうなってくると意味不明だ。
公務員の方々には、仕事を増やしたくないのか、減らしたくないのかハッキリしてほしい。
…まぁ、聞かなくても結論は知っている。
「今まで通りでいかせてよ」
ということなのだ。
もちろん、公務員全員ではない。
こういったことを理解する優秀な公務員もいる。
ただ、時代に対応できない公務員の声が大きいというのが現状なのだろう。
『変化に対応できる者が一番強い』という言葉は、役所に今最も必要な言葉なのではないか。激動の世の中、役所の中だけ変わらないなんてことは許されない。
むやみやたらに仕事を増やそうという思想ではない。減らせる仕事を減らして、その分必要なところにシフトしていこうという、当たり前のことを言っているだけなのである。
視察初日 スタートアップベンチャー6社からのプレゼン大会
そしてこの日はそのまま、Yahoo!のRODGEというコワーキングスペースを借りて、スタートアップベンチャー6社からのプレゼン大会が行われた。
まさに、『変化に対応できる者』の集まりである。
新しいテクノロジーを使って、世の中を変えていく集団だ。
参加していただいたスタートアップベンチャーの紹介と共に、所感を書いていく。
株式会社ピリカ
今回の視察企画を僕とともに進めてくれたのが、株式会社ピリカCEO・小嶌氏だ。
これまでもポイ捨て状況調査などで大変にお世話になっているが、今回はYahoo!とLINE、スタートアッププレゼン大会のアテンドを担ってもらった。
株式会社ピリカは科学技術の力で環境問題に対峙していく企業。
スマートフォンで撮影した動画を、ピリカが開発している人工知能「タカノメ」で解析することで、これまで主観的にしか判断されてこなかったポイ捨てゴミの多さを、客観的データとして捉えることが可能になった。
大阪市内での調査実績は、
東淀川区内の2箇所を僕が依頼したのに加えて、
西淀川区では徳田勝市議が、天王寺区では金子恵美市議が依頼。
路上喫煙禁止地区に指定されている御堂筋での調査も行っている。
コイニー株式会社
早速だが、今回の視察の収穫としてカナリ大きかったと感じているのが、Coineyだ。
侮るなかれ、Coineyはただの決済サービスではない。
「地方を助けに行こうとした時に、東京モンが金を巻き上げにきたと思われてしまうことから、対象自治体などに支援を行うスキームを作った」というエピソードが僕の心に刺さった。
これは自治体に限らずということなので、色んなスキームが考えられる。
特に、WeChatPayに対応していることが、訪日外国人観光客数が大きく伸びている大阪との親和性も高めている。
※大阪の訪日外国人観光客数は年間推定約1000万人、そのうち中国人が約40%とされる=年間推定約400万人
商店街振興組合と共にスキームを構築し、「WeChatPay対応商店街」などと謳うことができれば、それだけで話題性も高まり、わざわざ選ばれる理由のひとつにもなりえるだろう。早速、地元の商店街振興組合と話をしてみようと思った。
株式会社Azit
マイカーを運転するドライブ好きと、クルマに乗って移動したい人をマッチングするプラットフォーム「CREW」
株式会社Azit
CREWは、運転したい人と移動したい人をマッチングする。
Uberが日本であまり普及しない理由は規制であり、じゃあCREWはどうなの?という話なのだが、CREWは弁護士にも「違法性はない」と判断される形でサービスを展開している。
要は、運賃の取り扱いだ。
運転することで運賃を貰える形にすると、営業許可を受けず自家用車でタクシー業務を行う「白タク行為」になってしまうが、CREWは運賃は取らない。
乗せてもらった人が、ガソリン代などを考えて、気持ちを支払うという形を取っている。
まさにグレーゾーン。
ただ、話を聞いていて思ったのは、タクシーのような使い方を推奨している感じでもなく、あくまでも趣味としてドライブしたい人(運転側・乗る側)同士をマッチングしていくような思想設計だった。
今後どのような展開になっていくのか、注目しておきたい。
MoBagel,Inc.
IoTデバイスに特化したクラウド型リアルタイムデータ解析プラットフォームを提供
MoBagel,Inc.
MoBagelは、業界では有名な会社だ。
ビッグデータ分析は今後どんどん必要とされていく分野だが、肝心の解析部隊が足りなくなることを課題と捉え、解析そのものをAIにやってもらうということに挑戦している。
確かに、ビッグデータ分析にかかる人件費・時間のコストは馬鹿にできない。
そしてこれから、どんどん必要となるものである。
課題の先読み、解決策の提供、その中身がAIであるという完璧なソリューション。
ただ、実際に役所のビッグデータ解析に利用することを想定した時、やはり実証実験などを経て有用性のチェックは必要だろう。新しい分野なだけに、予算措置の必要性を理解しない人も多いだろうと思うので、このあたりの確度は重要な要素になってくるだろう。
モビラス株式会社
視察団の中で人気が高かったモビラス。
役所の手続きは、いつも手書きを強要される。非常にめんどくさい。
更に、その手書きの紙を見ながら窓口の人がPCに入力しているのが実情。
ここにヒューマンエラーの可能性が潜んでいる。
そもそもコスト的にも無駄を感じる。
これを解決すべく、用紙に細工をし、手書きされた文字を自動的にPCが読み取る仕組みを提案していただいた。
技術的には似たようなものもたくさんあるはずだが、アプローチとしては素晴らしい。
これは今すぐにでも導入すべきアプローチであり、最終的には様々な企業が参加して競争入札になるだろうが、実現に向けて政策提言をしていきたい。
その他、位置情報を利用した活用例提案など、「役所で使うならこの技術をこう使うのはどうか」というアプローチが具体的で参考になるものが多かった。
株式会社Logbii
ログビーは、地域包括ケアや救急医療の現場に起きている、「みんなが別々のプラットフォームで連絡を取っている」という状況に目をつけて、統一プラットフォームを作っている。
これによって、患者を起点に、関係者全員で情報を共有することができる。
なるほど素晴らしいアプローチ。
僕はプラットフォームは乱立すべきではないという思想なので、別々のプラットフォームを統合することには大賛成。
ただし、統合先については持論があり、しかしこれを語りだすと長いので、ここで留めておく。
視察2日目
初日から内容が濃かったが、2日目も濃い内容となっている。
まず、最初の視察先はGoogle。
本当に、先進的な会社。
人事評価制度は360°評価。
僕がサラリーマンしてた頃の会社も同じ人事評価制度でした。
役所の人事評価も、360°評価にすればいいのに。
たくさん、GoogleエッセンスをPTメンバーに注入してもらえた。
実はもっと色々聞きたかったのに、時間が足りなくて終了してしまったのが残念。
個人的には今回は、「Googleデジタルワークショップ」の存在が収穫だった。
■Googleデジタルワークショップ
https://learndigital.withgoogle.com/digitalworkshop-jp/certification
役所の人にも研修でやってもらう必要がありそうかどうか、まずは自分でやってみた。
認定証ゲット!
でも、かなりビジネス寄りなので役所の人には必要ないかも。
もっと基礎的なITリテラシー高める研修プログラムみたいなのがあれば、本当に役所の職員全員に受けてもらいたいなと思う。
そして、その後急いで移動して向かった先は、LINE。
ここでは、いじめ相談窓口の話になった。
現在、LINEは「いじめ相談ミスマッチ問題」に取り組んでいる。
総務省・情報通信政策研究所による 「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、10代が携帯電話を利用している時間は、1日平均で
・電話機能:2.8分
・ネット電話:4.4分
・メール:17.0分
・SNS:57.8分
となっており、この内いじめ相談窓口がサポートできているのは、電話機能だけ。
もっと利用実態に合わせていく必要があるんじゃないの?という話。
実際に札幌市で、若者の相談ニーズの実証実験を行っている。
・面談相談
・電話相談
・LINE相談
この3種類の案内を同時に5万枚配布。
その結果、
・面談相談:0件
・電話相談:24件
・LINE相談:846件
となっており、いかにこれまでカバーできていなかったかがわかる。
しかし、カウンセリング業界の反応はあまり良くないらしい。
理由は、「あくまでも面談が大事。百歩譲って電話。」ということらしい。
たしかに、面談が一番良いのは僕にもわかる。
電話なら息遣いなども把握できるから、電話も対応しようというのもわかる。
別に今までのを無くすわけでもなく、窓口としてSNSも追加してあげたら?
という話なだけなのだが、反対意見が業界内にあるのも実情らしい。
しかし、誰のためにやっているのか?という根本的な部分に目を向ける必要がある。
子どものためにやっているに決まっているのだ。
時代の変化に伴い、子どもがLINEの方が相談しやすいんだということなのであれば、窓口として置いてあげて、やり取りを通じて信頼関係を作って、それから電話や面談にコンバージョンしていけば良いだけなのではないかと思うし、実際にそう考える業界の人もいるとのことだった。
最近では、いじめのフィールドがSNS上にも波及している。
逆に、スクリーンショットが証拠にもなる。
それをワンタッチで送信できる環境で相談を受けてあげられるほうが良いに決まっている。
これは大阪市でも実現していきたいし、実現しなければならない。
政策提言に含めていく予定だ。
視察2日目 スタートアップベンチャー6社からのプレゼン大会
初日に引き続き、スタートアップベンチャー6社。
2日合計で12社。かなり実のある視察だったことは言うまでもない。
株式会社Proper
ご近所の人同士で情報交換ができるオンラインの掲示板「マチマチ」
株式会社Proper
渋谷区と包括的な協定を結んでいる「マチマチ」。
ご近所限定のFACEBOOKとして地域活性化に活かしていくというサービス。
初めて暮らす町でも、近所のスーパーやお店の評判、ご近所さんだけが知ってるクチコミが聞けるサービスになっており、不動産会社と親和性が高く連携しているとのことだった。
地元系サービスは最近では「ジモティー」などが認知度が高いと思うが、「ジモティー」もTVCMでグッと認知された感がある。
マチマチも、首都圏でのTVCMも検討しているとのこと。
今後の展開に注目だ。
株式会社ファミワン
妊娠力を無料診断できるサービス。
診断結果をもとに、妊娠力改善を提供している。
聖路加国際大学や東大と協力して様々な分析を行ったり、医療機関と連携したエビデンスの構築など、データに基づく適切なサポートを開発。
夫婦間のコミュニケーションや、啓蒙・啓発イベントの開催も数多くある。
少子化が叫ばれる日本において、婚活に目が行きがちではあるが、その後の妊活という部分にスポットを当てている。
これも非常に大切な取り組みであり、是非大阪でも啓蒙・啓発イベントを開催してほしい。
WAmazing株式会社
無料SIMカードを日本の主要空港で配布
WAmazing株式会社
通信に課題を持つ訪日外国人旅行者(インバウンド)を対象に、無料SIMカードを日本の主要空港で配布しつつ、SIMと連動したアプリ上での日本中の観光商材の手配ブッキングが可能なサービスを展開するスタートアップ。
このアプローチはめちゃくちゃ素晴らしい。
現在、大阪観光局がOSAKA FREE Wi-Fiを展開しているが、正直しんどい。様々なWi-Fiスポットにお願いをして回線を分けてもらいながらの運用になっているので、不安定になるのは当然だ。
そこで、そもそもWi-Fi整備がしんどいのであればSIMカードで対応すれば良いという当然かつ必然のアプローチ。
日本のスマートフォンはSIMロックされている端末が多く出回っており、あまりピンと来る人は多くないかもしれないが、海外旅行の時に空港でSIMカードを買ってSIMフリーの端末に挿入して使うのはメチャクチャ便利であり、もはや当たり前のことなのである。
なんなら、海外ではデュアルSIM端末(複数のSIMカードを挿入できる端末)も売っていたりする。
さっさと関空でもWAmazingのSIM端末を発行する機械を設置すれば良い。
なお、このSIMカードは無料。5日間で500Mのデータ通信。以後、課金制。
だからこそ、広告が大事。
その広告に観光情報を詰め込んでいくのだ。
まさにWin-Win。
大阪の観光需要はまだまだ伸びていくので、早く関空に設置してもらいたい。
ソナス株式会社
WEB系のサービスがひしめく中、ひときわ輝くIoT系サービス。
今回の視察の中で、最も早く実証実験に向けての政策提言を決めた。
一体どんなことができるのか?
それは、老朽化橋梁のモニタリング。
日本の橋梁は今後、老朽化対策に追われる運命にある。
しかし、お金がめちゃくちゃかかってしまう。
でも、橋を落とすわけにはいかない。命がかかってるんだから。
だから、点検を定期的にやらなきゃいけない。
国交省が5年に一回の目視義務を課しているが、この目視点検にも多額の費用がかかる。
そこで、無線振動計測システム。
橋梁に設置し、異常な振動がないかどうかを確認することができるというわけだ。
これにより、より多くの点検が可能になり、異常があればすぐに察知することが可能になる。
全国の自治体に先駆けて、いち早く実証実験を行うべきだろう。
市民の安全を守るためにも、スピード感を持った取り組みが求められる。
株式会社Liquid
生体認証をもっと生活に溶け込むカタチに
株式会社Liquid
生体認証。いわゆる指紋認証系の技術。
マイナンバープロジェクトで助成金をもらっているとのこと。
当然、未来はこうなっていくだろう。
カードは紛失の危険性が高く、あまり良いアプローチではない。
これまで業界ではスピードが課題だったが、確度・スピードの極めて高い認証システムを開発したことで、マイナンバー認証に変わる本人認証システムとしても成立する可能性を持った。
1認証5秒以下、50万人までは3秒以下で終わらせることができるとのことだ。
つまり、認証前にあらかじめ属性を絞る選択肢を選んでもらえば良いということなのだろう。
どこにお住まいですか?
[都道府県]
▶大阪府
[市区町村]
▶大阪市東淀川区
これで、大体どこの自治体も50万人以下の規模になるだろう。
※もちろん、50万人を超える場所があるのもわかって書いている。
こちらも、将来的にはこういう技術が当たり前になることが予測されるため、注目だ。
株式会社Spectee
報道機関で一番使われているSNSリアルタイム速報
Spectee
AIを活用してSNSからリアルタイムに災害・事故・事件等の情報を抽出し配信するシステム。
報道機関や消防で活用されている。
実際に稼働しているPCを持ち込んでいただいて説明を受けたが、その説明の間にもたくさん速報が。
なるほど、これは素晴らしいシステム。
JX通信社のFASTALERTとは競合にあたる。
災害時等の危機管理として、カメラの増設→ドローンでの確認など、物理的な解決策が検討されている中で、新しいアプローチ。
SNSの投稿に依存するため、写真や動画を撮ってる余裕などない災害の場合に備えて物理的な対策は一定数必要にはなるが、だからといって完璧に対策しようとするとキリがないのも事実。
ある程度を網羅した段階で、こういったアプローチでのフォローに転ずることが経費削減&状況把握精度向上につながるだろう。
これも是非政策提言していきたいが、どちらかというと広域の仕事であるべきなので、大阪府との連携がベターか。
視察総括
長々と視察レポートを書いてきた。
もはや、誰もここまで読んでいないだろう。
しかし、本当に内容の濃い視察を行うことができた。
最先端ICT都市PTを作り、記念すべき第1回目の視察が素晴らしい内容になったことに満足しており、協力いただいた企業の皆様に感謝し、今後の大阪のためになるような政策提言を行っていくことを強く決意している。
個人的ビジョン
しかし、数多くのスタートアップベンチャー企業と接していて感じた。
東京は、やっぱり凄い。
なにが一番凄いかというと、やはり投資される環境だろう。
だからこそ、やはりスタートアップしようとすると、ファーストチョイスは東京になる。
これはもう、仕方ないこととして諦めるべきステージにあるだろう。
この状況で、「大阪でスタートアップしてよ」とお願いしても門前払いだ。
となると、大阪が取るべき立ち位置はどこにあるか。
「実行する場所」としての立ち位置を確立すべきだろう。
国内レベルとはいえ、自治体の中では最先端ICT都市と呼ばれているだけあって、首長の理解もあり専門組織も有している。
そして手前味噌な話ではあるが、議員サイドにも我々最先端ICT都市PTが存在している。
どんどんスタートアップベンチャー企業の新しい取り組みに触れて、良いものがあればどんどん実行していける環境・雰囲気・風土を作っていくことが大事で、今の大阪にはそれが可能だと考える。
大阪府とも連携し、真の【最先端ICT都市大阪】を確立すべく、引き続き動いていく。