久々に表向きの文章を書きます。
まず初めに、
1. 代表選について、意思表明をするかどうか悩んでいました
2. タイトルの「離れることを決意した」とは
という部分から説明していきます。
代表選について、意思表明をするかどうか悩んでいました
まず、僕は「誰の推薦人にもならない」というポジションを選択しました。
理由として、僕は今「大阪市長選 予備選準備委員会」の事務局長をやってます。
例えば僕が代表選で推薦した誰かが、今回の代表選のように予備選選考において「◯◯さんを支援する」みたいな発言をした場合、結果ありきの予備選をやっていると誤解されかねない、と思ったわけです。
※絶対そうならないように、今回の代表選で噴出している問題点も考慮しながら慎重に制度設計を進めています。
ただ、「心から維新を愛する1人の特別党員として、どのような公約を支持するか」は、表明すべきなのではないか。
血みどろの戦い、などというパワーワードが飛び交う中、熟慮に熟慮を重ねてきた次第です。
結論から申し上げますと、過去にツイートした内容との整合性からも「黙り続けるのも卑怯だ」と考えました。
<昨年、松井代表が再任された際のツイート>
結果が出たので。
僕は、同一選挙における連続公認に一定の年数縛りを設ける「所属議員公認期間制」を新設し強制的に人材流動を生むことが、現職連続公認が続く弊害(議員特権の改革インセンティブ低下)回避につながるとの持論から、そういう公約で代表選に出る方がいれば投票したいと思っていました。— 杉山みきと@大阪市会議員(東淀川区:大阪維新の会) (@GoaRICK) November 27, 2021
離れることを決意した、とは
周辺の仲間には住民投票否決の直後に表明しました。
党支部大会で発言したこともあるので、既にご存知の方もいらっしゃると思います。
僕は、次の選挙に出ません。当然、公認申請も行いませんでした。
<匂わせツイート>
有権者のみなさん、本当にありがとうございました。
今回の住民投票では戦略本部メンバーとして中心的な役割を担わせていただいたのにも関わらず、このような結果となったこと、僕自身にも大きな責任があると認識しています。
残任期は精一杯、役所のIT改革に力を注ぎます。ありがとうございました。
— 杉山みきと@大阪市会議員(東淀川区:大阪維新の会) (@GoaRICK) November 1, 2020
強調しておきたいのは、僕は維新のことを心から愛しています。
維新が嫌いになったから出ていく、みたいな話ではないです。
現在36歳という年齢の自分が、もう1期やって40歳になると民間に戻って活躍するための選択肢が極端に少なくなる。
幸い、妻も含め信頼できる仲間が維新にはたくさんいる。政策提言は仲間にお願いすればいい。
新たな可能性を持つ候補者のために自分の椅子を空けることもまた、身を切る改革のひとつ。
僕より若い後輩議員もたくさん生まれてきた中、そういう仲間に「こういう進み方もある」という背中を見せたい。
こんなことを考え、決断した次第です。
自分自身の将来について何かを限定した言い方はしたくないため、「政治家引退」と軽々しくは言いません。
現時点で色気があるわけでは全くないのですが、将来を限定するのが嫌いな性分なので、こういう表現にしておきます。
今、維新に必要な公約は
本題に入ります。
僕自身が1人の特別党員として今、維新に必要だと考える公約は「首長奪取戦略の策定」です。
大阪維新の会は、首長が行政運営をする過程で有権者に維新政治を体感してもらうことで安心・信頼・期待を積み重ね、その結果として大阪では自民を凌ぐ支持率No.1の政党となりました。
大阪の改革実績を全国に広げて日本維新の会の党勢を拡大したいと考えるのであれば、首長奪取戦略はマストです。
しかし、現実的には明確な首長奪取戦略が掲げられぬまま、維新未開拓地で地方議員が孤軍奮闘しています。
当然その地で維新らしい政策は実行できず、当該地域の有権者は維新政治を体感できない。
「広報力の問題」とするのは簡単で、確かにそれらしく聞こえます。
では、十分な予算をつければ全国が大阪のような支持率になるのでしょうか?
お金がいくらあっても足りませんし、僕はそれだけで解決できる問題だとは到底思えません。
やはり問題は「首長奪取戦略が策定されていない」ことです。
首長を生み出し、有権者に維新政治を体感してもらうことで安心・信頼・期待を積み重ねる必要がある。
維新未開拓地で地方議員が孤軍奮闘するのにも限界がある。誰もがわかっているはずではないでしょうか。
『首長候補者なんて、そう簡単に見つからない』
そんな言い訳をして、いつまでも「落選覚悟で勇気を出す地方議員待ち」を続ける。
そこにメスを入れるための公約が、今維新に必要だと考えます。
多選国会議員こそ、首長候補者にふさわしい
「落選覚悟で勇気を出す地方議員」よりも、
知名度・資金・スタッフ数などで優位にあるであろう多選国会議員こそ首長奪取のポテンシャルを最も高く持つであろう特別党員ではないでしょうか。
多選国会議員が自らの地位を既得権益化し、高みの見物をする構図は全く維新らしくありません。
政治家を続けたい多選国会議員には首長奪取を課す。そのための制度を作れば、「首長奪取戦略」の大きな柱になります。
政党は道具、政治家は使い捨て。
足立候補もよく引用される、僕も大好きな維新らしい言葉です。
補足説明)
多選の定義:連続して6年以上、同じ選挙区から選出されていること
※議論の余地はありますが、僕は一旦こういうイメージをしています
→参議院なら1期限定で鞍替えを求める
想定される反論:首長奪取も目標にしつつ、まずはコツコツ地方議員を増やす努力をしている。
そもそも、維新は松井さんが自民を割ったところから始まりました。
兵庫県知事選でも、どの候補者を応援するかで自民が割れました。
本気で首長を獲りにいけば、最強勢力の自民だって割れる可能性があるってことです。
一方、地方議員を増やすと言うだけでは到底自民を割れません。
自民を割った結果、地方議員の仲間が増えました、というパターン想定が欠けていると思います。
以上の理由から首長奪取と地方議員増は同時に進行すべきで、中でも最重要ポイントは「地方議員増を目指す当該地域の首長候補は誰か」を決めることではないでしょうか。
多くの地域でそれが設定されぬまま孤軍奮闘、地方議員による党勢拡大が目指されている現状、「当該地域の首長候補が誰もいない」状態を極力減らすためにも、政治家を続けたい多選国会議員には首長奪取を課すという制度が必要だと考えています。
想定される反論:多選国会議員の中でも特に重要な人材を失えば維新にとってマイナス。そんな余裕はない。
これについては、真に党員が必要と認める人物のみ継続公認可能な仕組みを作れば良いと思います。
具体的には最高裁判所裁判官国民審査の逆をイメージしてもらえたらわかりやすいかと思います。
ダメな人に×をつけるのではなく、必要な人に◯をつける。
定められた%(ここは議論が必要だが、仮で定めるなら過半数)以上の支持を得ることができた人は、基本多選禁止前提の中で回答した全国の党員から支持を得た人物。
まさに党員から見て「失うことのできない重要な人材」であることが客観的かつ公平公正な形で証明される。
そういう仕組みにしておけば、自動的に全国会議員が必死で国会活動のPRを行うことになる。
維新の広報活動としてプラスになる上、国会議員特権の改革も今より更に進めやすい機運が醸成されるでしょう。
また、この仕組みで重要人材かどうかを問う対象は「支部党員」に限らず「全国の一般党員」にすべきです。
目的は、政治の世界に蔓延る多数派工作、党内力学を無力化すること。
あくまでも真に党員から必要と支持される人材のみ、特別に継続公認するというスタンスが良いと思います。
付け加えて言うと、優秀な地方議員は既にたくさん存在しますし、立場が人を作るという言葉もあります。
人材流動を促進することは、維新の考え方にもマッチしているはずです。
ということは、杉山は梅村候補を支持してるの?
僕は人物ではなく公約を支持します。
現時点で僕が理想とする公約に近いものを掲げたのは梅村候補だけですが、仮に足立さんや馬場さんが追随した場合はその公約も中身を吟味した上で支持する可能性があります。
僕も政治の世界に入って8年目ですから、「政治家を束ねることの難しさ」というのはある程度理解しているつもりです。
そういった面では正直言って、3候補の中では馬場候補が最も政治家を束ねる力を持つと思います。
ただ、その役割は幹事長としても担える。それは橋下松井体制時の松井幹事長が既に証明済です。
ですから、僕が今大切だと思っていることは
【維新が維新らしく飛躍するために、掲げるべき公約を掲げた人間は誰か】
ということなのかな、と思っています。
ファーストペンギンとして掲げた梅村さんは偉い
実際、こんな公約掲げられる胆力ある人なんていないと思ってました。
もちろん仮に自分が挙手するなら絶対掲げますが、僕も松井代表と同じ時期に去る側の人間なので、そりゃ挙手できるわけもなく。(推薦人30人も無理でしょう)
その上で言いたいことがあって、
「その公約を掲げたからには、自らが率先して実行するんですよね」
みたいなトゲのある言説をTwitter上で見かけました。
これについては、断固として「邪魔するな」と言いたい。
そんな小言(嫌味)を言う環境をこれからも続けるなら、今後もっと「維新らしい公約」を掲げるのが難しくなっていく。
理想の公約を掲げることと、その公約が選ばれるか選ばれないかは別の話。
理想の公約が選ばれなかった時、理想の公約を掲げた人間だけに「掲げたんだからお前は遵守しろよ」と迫るのは一見正論に見える。
だが、その行動様式が「維新らしい公約を掲げにくくなっていく」という弊害を生み出すことに気付いてもらいたい。
代表選の公約は、全党員が維新の未来を議論する上で必要と思われる議題を提供するものである。
その結果、選ばれた公約に従う。それが、維新が組織として大事にしているルールであるはずだ。
<昔からそうですが、やっぱり僕は橋下さんの意見とすごく合います>
党内衆議院議員の多選禁止、地方議員と国会議員の流動化などで激論して欲しい。既得権打破、雇用市場の流動化と言いながら国会議員の身分が完全既得権化、固定化している今の維新をガツンと変える代表が選出されることを期待。維新はどのような代表を選出するか。激しい権力闘争が党を強くする。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) July 28, 2022
最後に
これは、心から維新を愛する1人の特別党員としての文章です。
「大阪市長選 予備選準備委員会」の実務は、引き続き徹底的に公平公正なスタンスで遂行することをお約束します。
また、妻は馬場候補の推薦人になっています。そのことからもわかる通り、妻と僕の考えが一緒というわけではありません
誰にも相談せず、個人の判断で個人の意見として記載しています。
足立候補、梅村候補、馬場候補、挙手された全ての候補者に敬意を表します。
追記
<面白い論文を紹介していただきました>
杉山さんのブログ、すごく興味深い内容でした
ご存知かと思いますが
砂原庸介(2011)「地方への道 – 国会議員と地方首長の選挙政治」https://t.co/zCpJiGl9fp都構想の時にFiscal federalismの文脈で政治家に中央・地方政府間のキャリアパスが必要だ、みたいな議論があったのことも思い出しました https://t.co/bGPkzOTwnJ
— バレット (@Barrettm95sp) August 20, 2022
(全然存じてなかったですので、読みました)
この論文から読み取れることの中で特に面白かったのは、
「国会議員が将来首長に転身することを本気で意識すれば、地方分権を積極的に進めることにつながるかもね。」
↑超意訳です
ってところですね。
これもまた、維新が目指すべき姿なのかなと思いました。